約8分の記事です。

東京マラソン・サブ3.5

東京マラソン3時間30分切り(サブ3.5)は、1.ペース配分 2.練習方法(VDOT) 3.当日の注意点 4.ペースセッター、この4つで達成出来ます。サブ3.5は男性の12.1%、女性は3.1%しか達成できない領域です。

そんな狭き門「サブ3.5(3時間30分切り)」・・・東京マラソンで達成するにはどんな練習をすれば良いのか、3か月スケジュールと合わせてまとめます。かなりの長文なので「目次」から必要な箇所だけご覧下さい。

サブ3.5ペース

1kmあたり4分58秒(時速12.06km)のペースで走り続ければ、東京マラソンを3時間30分未満で完走する事ができます。速度的には、ママチャリをゆっくり目で漕いだスピードをイメージして下さい。

GPSの距離と実際の距離の差

注意点としては、ランニングウォッチが示す距離ではなく、コース上に示される距離表示(1kmごとの表示)で、1kmあたり4分58秒(時速12.06km)のペースを刻んでゴールする事です。

東京マラソンのような都市型マラソンでは、実際の距離とガーミンなどのGPS時計とで、距離が大きく違ってきます。私が東京マラソンを完走した時のガーミンの表示は42.8kmでしたが、東京マラソンのコースは当然のことながらマラソンの距離42.195kmなので約600mも違います。

大きいビルや建物などが密集する東京では、建物による反射などでGPSが狂うそうです。横浜マラソンや湘南国際、つくばマラソンなどは42.4kmほどなので、東京マラソンは大きく誤差が生じる事がわかります。

サブ3.5を狙う方は、「GPSの距離と実際の距離の差」、これは忘れてはならない事項です。つまり、時計はあくまでも速度や1キロあたりに要した時間の確認、距離はコース上の距離表示に従う事が重要になります。

500m違うと、サブ4の方なら約2分50秒、サブ3.5の方なら約2分30秒も違ってくる計算になるので、コース上の距離表示に従う必要があるのです。

練習方法(VDOT)

VDOTとは

次に練習内容とそのスピードについてですが、ジャックダニエルズ氏が作成した「VDOT(ヴイドット)一覧表」に従って、これからの3か月間練習していきます。

VDOTとは現在のあなたの走力を示す数値です。ハーフやフルの自己ベストからVDOTは分かります。

VDOT一覧表サブ3.5向け

一覧表の中から、5km、10km、ハーフ、30km、フル、の自己ベストに近いタイムを見つけて、左縦軸の数値(VDOT)を確認します。2つ以上の自己ベストがある方は、VDOTの数値が高い方を今のあなたのVDOTとします。

例)フルが3時間40分の方はVDOTが42、ハーフが1時間42分の方はVDOT44となります。

例えば、VDOT43の方はフルマラソンの予想タイムは3:36’28″、VDOT44の方はフルマラソン予想タイムは3:32’23″になってますので練習が必要ですね。サブ3.5を達成するには最低VDOT45、出来ればVDOT46が必要です。

VDOT46への練習内容

週3回のランニングを3か月間継続します。内容は、ロング走(25~30km)、閾値走20分、ジョグ5~10km、それぞれ週1回づつです。週間走行距離は、40~50kmぐらい、月間走行距離は180~220kmほどになります。

すべてその時のVDOTの数値に従って練習しますが、3か月後にはVDOT46になるように、走力を上げていく必要があります。私は時々5kmのタイムトライアルを実施して今のVDOTを確認しています。

ロング走(25~30km)

基本的にはEペース(イージーペース)で行います。Eペースとは息の上がらないペースです。ロング走は、女性は難なく成功する方が多いようです。男性はスピード型が多いので初めはかなり苦しです。(私)

例えば、VDOT44の方のEペースは、VDOT一覧表から1kmあたり5分52秒(10.23 km/h)とありますので、30km走なら2時間55分ぐらいで走る計算になります。東京マラソン8週間前ぐらいまではEペースのロング走を継続していきます。

ジャックダニエルズ氏によると、Eペースのロング走とマラソンペースのロング走は、効果の程はほとんど変わらないと言ってますので、徐々にロング走のペースを上げていきますが、マラソンペースのロング走は、大会4週間前か3週間前に1~2度で良いと思います。

一見、マラソンペースの30km走を繰り返した方が、走力が付きそうですが、怪我のリスクが上がるだけで継続的な練習が出来なくなると言っています。「継続した練習こそが走力アップには必要だ」と・・・私は怪我しないように素直に従ってます。

閾値走20分

ロング走と並んでポイント練習と呼ばれるのが閾値走20分です。Tペース走、LT走(乳酸閾値走)などと呼ぶ人もいます。例えば、VDOT44の方の閾値ペース(Tペース)は、VDOT一覧表から1kmあたり4分43秒(12.72 km/h)とありますので、時速12.72kmで20分間走るのが閾値走になります。距離で言うと4.2kmほどです。

閾値走(Tペース走)は「キツ過ぎず緩過ぎずのスピード」「出来れば走行を止めたいと感じる速度」などと言われています。が、初めて閾値走をやる方の多くは、20分走れない、又はTペースより遅くなってしまった等、失敗する方も多いスピード練習になります。

男性はスピード型が多いので成功する方もいますが、女性はスタミナ型が多いのでかなりキツイと聞きます。頑張って下さいとしか言えませんが。^^

また怪我の防止のため、閾値走の前後は遅めのジョグを2~3kmづつ入れるのが基本です。アップジョグやダウンジョグと呼びますが、時間が許せば入れて下さい。

ジョグ5~10km

ジョギングですね。先ほどのEペースよりも遅くしたペース。息も上がらないし、軽くお話しながら走れる速度です。非常に快適で苦しくないスピードです。スピードの決まりはありません、お好きな速度で走って下さい。

ジョグの役目ですが、ポイント練習とポイント練習の間に行う「つなぎジョグ」、ロング走の翌日に疲労を抜くため走る「疲労抜きジョグ」などがあります。この2つも特にスピードの決まりはありません。スピードは、「ジョグ>つなぎジョグ>疲労抜きジョグ」左ほど早いスピードです。

3か月スケジュール

3か月前

今まで30km走の経験が何度かある方は、ロング走(25~30km)、閾値走20分、ジョグ5~10km、それぞれ週1回づつ。週間走行距離は、40~50kmぐらいを目途に走ります。(キツイ方はロング走20kmでも可)

そうでない方は、ロング走20~30km or 閾値走20分を1回、ジョグを2回で良いと思います。まだ3か月前なので、怪我をしないように基礎作りが大切です。

足の様子を見て、10週間前には30km走を実施してみて下さい。目標は30kmを2:40’00″~2:50’00″。1kmあたり5分20秒~5分40秒です。

また2か月前に入る前に、今のVDOTを知るために、5kmのタイムトライアルを1回実施したいタイミングです。新しいVDOTの数値に従って、2か月前からの練習を行います。

2か月前

サブ3.5(3時間30分切り)を狙う方は、ロング走(25~30km)、閾値走20分、ジョグ5~10km、それぞれ週1回づつ実施します。出来ればロング走は30kmにして2~3回実施、6週間前か5週間前の30km走は2時間30分(1kmあたり5分 時速12.0km)を目指したいです。

また、出来ればこの時期に1回、ハーフマラソンの大会に出て1時間40分台に挑戦です。そして継続してきた閾値走20分をスピードを少し落とした閾値走40分にして実施するのも持久力アップに効果的です。

スピードを少し落とした閾値走40分:目安としては、閾値走20分の時のスピードに10秒足したスピードです。今まで4分43秒で閾値走20分やってきた方は4分53秒ほどで40分走るという事になります。距離で言うと約8.2kmです。

閾値走40分・60分の詳細

また1か月前に入る前に、出来れば最後の5kmのタイムトライアルを実施したい。もちろん目指すはVDOT45(21分50秒以内)です。出来ればVDOT46(21分25秒)

1か月前

1か月前は、仕上げと調整と疲労抜きの時期になります。3週間前の30km走で仕上げ、その後から疲労抜きに入り、2週間前にサブ3.5のペースで21km走、1週間前にも同じくサブ3.5のペースで10km走という具合に体を調整していきます。

3週間前の仕上げの30km走は、1kmあたり4分55秒(時速12.2km)2時間27分ほどである程度余裕を持って走り切れれば、サブ3.5の手ごたえは十分だと思います。

そして2週間前から疲労をためない、頑張り過ぎない、良く寝る、この3つが一番大切です。この時期、練習不足などが心配で、逆に走り過ぎてしまう方が多いのですが、それは止めた方が賢明です。

疲労抜き

3週間前の30km走を終えたら、徐々に週間走行距離を減らしていきます。(疲労抜き=テーパリングと言います)

【疲労抜きの基本】
3週間前:75%
2週間前:50%
1週間前:25%

例えば、週間走行距離が50kmの方は、3週間前は37.5km、2週間前は25km、1週間前は12.5kmとなります。えっ!?少なっ??と思うかもしれませんが、練習より疲労を抜くことが第一優先事項です。あとは「よく寝る」事をお忘れなく。

また、このテーパリング時期は「距離は落としても質は落とさない」が基本です。ですので、閾値走などは継続しますが、2週間を切ってからは距離を減らした閾値走が良いという事になります。(普段4kmの方は2~3kmという具合、また1週間を切ったら閾値走はやりません)

なので、1か月前のロング走も30m⇨21km⇨10kmと距離だけを減らして、スピードはマラソンペースののままで走る訳です。

当日の注意

防寒用具

東京マラソンのスタート時間(9:10)は、2019年大会の3/3(日)の気温は5.6℃、2020年大会の3/1(日)の気温は8℃でした。かなり寒いのです。

そこで防寒具が必要になりますが、ほぼすべて100均で買えます。雨カッパ上下、手袋、使い捨てカイロ、ネックウォーマーなど全て100均でOKです。あとは捨ても良い古いフリースやジャンバーなどがあれば完璧です。

スタート10分前までは着ておいて、その後にボランティアの人がごみの収集に回ってきた時に渡しましょう。スタートブロックに入る入り口にも捨られるように洋服ポストが置いてありますが、脱ぐには早いです。ここで脱ぐと、走る格好で30分ほどじっとしてる事になるので要注意です(気温5~10℃です)。

トイレ

7:00に1階のスタートエリアに入場したら、まずトイレ⇨更衣室で着替え⇨荷物預け⇨(給食など補給⇨)そして2階のスタートブロックへ・・・この一連の流れを崩さないようにしましょう。

特にトイレに一番初めに行く事がサブ3.5への切符です。レース中にもトイレはいくつもありますが、そこで立ち寄るようだとサブ3.5は難しくなると思います。大だとロスタイムは最低でも3分?ぐらいでは?

1階で荷物を預けたら、すぐに2階へ上がるのもポイントです。2階にもトイレや給水はありますので、もう一回トイレチャンスがあると思います。

3時間30分ペースセッター

東京マラソンは毎年ペースセッター(ペースメーカー)が走ります。設定時間は、3時間00分、3時間30分、4時間00分、4時間30分、5時間00分、5時間30分の6つです。

ペースセッターは、スタート号砲からゴールラインまで時間(グロスタイム)で走るので、ネットタイムでサブ3.5を狙う方には、ややオーバーペースとなる事が予想されます。

グロスで狙う方は、3時間30分のペースセッターを見つけたら、付いていくのもありですが、注意点としては大きいグループで起きがちな転倒リスクです。特に給水所は要注意。全員が減速してテーブルに集まりますので、ぶつかったり、足を取られたりします。

ペースセッターは、風の強い日などは風よけにもなり良いのですが、基本的には私は付いていきません。私は前半より後半の方が早く走る「ネガティブスプリット」タイプなので、ペースセッターの速度は前半かなり早いのです。

あなたに合う速度なのか、人込み具合は許容範囲か、などでレース中に判断されるのが良いでしょう。ペースが合いさえすれば、こんなに助かるサポートはないと思います。

まとめ

東京マラソン3時間30分切り(サブ3.5)を達成するには・・・

①ペース配分は、1kmあたり4分58秒(時速12.06km)
②GPSの距離と実際の距離の差は、300m~800mもある
③練習で必要なVDOTについて
④VDOT46になるための練習法(ロング走・閾値走・ジョグ)
⑤サブ3.5までの3か月間スケジュール
⑥東京マラソン当日の注意点(防寒やトイレ)
⑦3時間30分ペースセッターの使い方についてまとめてあります。

かなりの長文になってしまったので、お時間がある時に、冒頭の「目次」から必要な箇所だけ読んで頂ければ嬉しいです。必ず東京マラソンでサブ3.5を達成して下さい。

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